社会福祉法人大阪市社会福祉協議会・大阪市ボランティア・市民活動センターのスタッフブログです。




2016年2月27日土曜日

社会の見え方が変わるボランティア・市民活動体験(1回目)の開催報告

普段、新聞やニュースで何気なく流れる色々な社会問題。
でも、実際に目の前で見たことはなくて、遠い世界の出来事のように感じるていませんか?
そのような誰もが一度は関心を持つ社会の課題に取り組む団体と直接ふれあう機会が、今回の「社会の見え方が変わるボランティア・市民活動体験」です。

1回目、2回目と分けてご報告させていただきます。


1回目となる1月30日(土)は、「つながりや人間関係を再構築する活動」をテーマに、電話相談を通じて気持ちに寄り添う活動団体(社会福祉法人関西いのちの電話)やホームレスの人の社会生活を支える団体(NPO多文化福祉センターCAMICA)、地域の魅力を発信し、人間関係を構築しようと奔走する団体(いく楽くらぶ)をお招きしました。
自殺者が3万人を超える中、社会福祉法人関西いのちの電話では、24時間電話相談で悩みを抱えた人の気持ちを受けとめる活動を行っています。相談者への対応として、「こうしたらいい」と提案するのではなく、思いを吐き出せることが必要だとお聞きしました。電話相談される人の状態をコップに入った水で例え、水があふれそうな状態になって電話をかけてくるので、まずはコップに入った水を減らして抱えている不安を軽減させたいと説明がありました。人の話を聴くことや気持ちに寄り添うことは難しく、実際に相談員として活動するためには、2年間の養成講座を受講することが必須です。人に向き合う活動の難しさや重みを感じましたが、それに見合うだけの活動の魅力も、十数年活動を続けている方のコメントをお聞きし感じられました。参加者からは、受けとめる側もしんどくなるのではないかと質問があったが、実際の活動では4人が一緒に活動するので一人で抱えることはないと安心して活動できる環境の話がありました。気軽に活動できる活動も素敵ですが、どっぷりと一つの活動にはまり、多様な価値観に刺激を受ける活動も誇らしくて魅力的だなと感じました。

  
いく楽くらぶの事例発表では、最初に「生野区のイメージ」について講師から質問が投げかけられました。参加者からは「空き家が多い」「物が安い」「在日の方が多い」といったイメージが挙げられました。いく楽くらぶは、生野区を愛する人、生野区で素敵な人や場所、面白いことを企画する人を「生野な人」と称し、「生野な人」を増やすことで生野区のイメージアップや地域を元気にしたいと考えておられます。具体的には地域密着型の情報紙「ライフフィールド」を発行したり、地域住民が交流できるイベントを企画されています。設立してまだ1年にも関わらず、木村さんのネットワークから、様々な持ち込み企画を協働され勢いのある団体です。パワフルで楽しい木村さん自身に参加者も惹きこまれました。

午後からは参加者が「生野な人」になりきり、JR鶴橋駅からコリアタウンへと向かい、生野区の素敵なところを探し、観音寺文化会館にて「ライフフィールド」編集会議に参加させていただきました。


NPO法人多文化福祉センターCAMICAの事例発表では、元ホームレス男性がボランティアスタッフとなるまで2年間に及ぶ関わりをまとめたDVDを上映され、活動紹介いただきました。ホームレスという状況ではなく、その人に着眼し、ライフストーリー仕立てでその人に関心を持って丁寧に関わっており、その人の活躍できる場所を創りだしたり、活動に巻き込む姿勢に惹きつけられました。午後からは釜ヶ崎の町並みを歩き、NPO法人多文化福祉センターCAMICAでのボランティア活動場所へ移動。DVDにも登場した元ホームレスのボランティアスタッフとも喫茶ボランティア体験を通じて交流を持つ時間を持ちました。





参加者からは、「具体的な現場をみせていただいて良かったです。実際に「利用者」の方と会えてそれも良かったと思います。」とか「身近な所で知らないことがいっぱい!!人がつながることが、うれしい発見で、出来ることも増えていくと思います。」「発見、発見、発見の一日でした」といった声がありました。
今回の講座では、人とのつながりを見つめなおすだけでなく、実際にボランティア活動を経験したことで自分たちに何ができるかを考える機会になりました。初回は楽しさや気軽さよりもじっくり人と向き合う重めの内容だったにも関わらず、21人もの参加があり、関心の高さがうかがえました