社会福祉法人大阪市社会福祉協議会・大阪市ボランティア・市民活動センターのスタッフブログです。




2014年3月23日日曜日

【市民フォーラムおおさか】 防災施設と就労支援NPO 見学バスツアー(ミニレポート)

ご報告が遅くなりましたが、市民フォーラムおおさか(事務局:大阪市ボランティア・市民活動センター)では、3/1(土)~3/2(日)の日程で、『防災施設と就労支援NPO 見学バスツアー』を開催しましたので、皆さんに見学の模様をご報告させていただきます。


北淡震災記念公園
1995年1月に起こった阪神・淡路大震災。北淡地域は淡路島の中でも特に被害の大きい場所でした。阪神・淡路大震災の爪跡を後世に伝え、防災の大切さを語り継ぐために作られたのが『北淡震災記念公園』です。園内にある、『野島断層保存館』では、震災後に露出した野島断層(国指定天然記念物)を140mにわたり保存・展示し、いろいろな角度から断層を分かりやすく解説していますす。その他、阪神・淡路大震災時の震度7の揺れを体験できる『震災体験館』や、活断層の真横でも壊れなかった民家を保存し、敷地内を走る断層や震災当時の建物の様子を再現した『メモリアルハウス』などが併設されています。


大阪から1時間半ほどで到着
野島断層保存館外観

国道43号線の倒壊再現模型
阪神・淡路大震災パネル説明

震災の語り部のお話を伺いました
国の天然記念物に指定されています

地層がずれているのがよく分かります
断層を断面から見たところ


『神戸の壁』が移築されています
神戸大空襲や阪神淡路大震災にも耐えた壁です

断層の真横に建っていた家(メモリアルハウス)
地震により1.2mもずれています


福良港津波防災ステーション
南あわじ市 福良港は東南海・南海地震が発生した場合、兵庫県内最大の津波被害が発生する地域と予想されています。この津波の被害を4つ(備える・伝える・逃げる・学ぶ)の機能により軽減させるための施設として、2010年に『福良港津波防災ステーション』が整備されました。うず潮の形をイメージして造られた特徴的な外観は、『うずまる』という愛称で呼ばれ福良地区のシンボルとなっています。
  ☆福良港津波防災ステーションの4つの機能
     ①備える:福良港にある防潮門扉の児童閉鎖
     ②伝える:監視カメラによる津波情報の収集と野外放送による周囲への伝達
     ③逃げる:観光客や港利用者などの緊急避難場所としての機能
     ④学 ぶ:地域の防災学習の拠点としての活用

5.3mの津波を想定して建設されている
外壁は耐候性鋼材という特殊な鉄で出来ています

防災学習室では津波について学習できます
津波の力は水位がひざ下でも20㎏かかるそうです


NPO法人 ソーシャルデザインセンター淡路
『誰もが仕事や役割を持ち、みんなが生き生きと笑顔で暮らせる淡路島に』を目標に「未来の仕事づくり」、「市民社会の実現」、「社会をデザインする」という3つの方向性をもって、仕事・役割づくりの各種事業を展開してします。『淡路ソーシャルファーム』という事業では、障がいのある人や高齢者、育児ママなどの、就労が困難とされる人々でも活躍できる仕事・役割づくりを積極的に事業展開しています。なかでも、清掃の仕事を通じて、就労弱者(発達障がい・知的障がい・引きこもり等)の個性に応じた職場環境整備を支援できる仕事仲間としての『ジョブパートナー』を養成・配置する事業や、就労弱者が淡路島の特産物をいろいろ詰合せて発送する『淡路島 あぬけだまギフト』事業に力を注いでおられるそうです。

吉備国際大学南あわじ志知キャンパスを訪問
木田薫 代表理事にお話を伺いました

プチホテル&カフェ シエスタ
シエスタは、前オーナーが県外に引越しされるということで譲渡先を募集していた時、障がい者の就労先として、新たに就労継続支援A型事業所の設立を考えていた、現オーナーの『一般社団法人いろどり福祉会』の森和也さんがホテル経営を引き継ぎ、淡路島で2番目のA型事業所として運営されているホテルです。(A型は一般企業と同じように雇用契約のもと、最低賃金が保障され、社会保険なども有り) 現在、知的障がい、精神障がい、聴力障がいがある人と健常者職員で、調理や接客、宿泊施設の清掃などそれぞれの個性に合った仕事を担当しているそうです。

プチホテル&カフェ シエスタ外観
宿泊だけなくランチも営業しています

オーナーの森和也さんからご挨拶
ランチを楽しみにしておりました

私は日替わりのパスタセットと
ミニパンケーキをいただきました!

今回、兵庫県 淡路島にある、防災施設と就労支援団体を見学させていただきました。
『北淡震災記念公園』や『福良港津波防災ステーション』では、阪神・淡路大震災の忌まわしい記憶を風化させず、将来起こりうる災害に備え、日頃からどのような準備をしておかねばいけないのか、災害時にどのような行動をすべきか、ということを改めて考えさせられる機会となりました。
また、『NPO法人 ソーシャルデザインセンター淡路』や『プチホテル&カフェ シエスタ』では、淡路島での、障がい者就労の厳しい現状を何とか打破しようと取り組んでおられる皆さんの熱い想いを感じることができました。『仕事に合わせた人づくりでなく、人に合わせた仕事づくり』の大切さということを学ばせていただきました。『障がい』といっても人それぞれで、その人によって、苦手な部分、得意な部分が違ってきます。そのような特性をきっちりと把握し、その人に合った仕事の方法や役割を見つけることにより、仕事をやり易くできれば、障がいのある人々も普通に仕事ができ、生きがいとやりがいを持って、地域社会の中で自立した生活を送ることも可能になるのでは、と思いました。 (荒野)