社会福祉法人大阪市社会福祉協議会・大阪市ボランティア・市民活動センターのスタッフブログです。




2013年12月10日火曜日

 【市民フォーラムおおさか】 災害時一泊体験~人命救助キャンプ~ 開催しました!

ご報告がおそくなりましたが、大阪市ボランティア・市民活動センターが事務局を担う『市民フォーラムおおさか』主催による、『災害時1泊体験 ~人命救助キャンプ~』が11/23(土祝)~11/24(日) 1泊2日の日程で行われました。(場所:舞洲スポーツアイランド ロッジ舞洲キャンプ場)
私たちは災害発生時、自分自身はもちろん、家族や近隣の被災者の生命を守るため、日常から防災・減災のスキルを身につけておく必要があるのではないでしょうか?市民フォーラムおおさかでは、これまでの活動(防災ワーカー講座、避難所一泊研修など)をふまえて、今回初めて野外での人命救助を中心としたプログラムの一泊体験を行いました。

ロッジ舞洲正面玄関です
スタッフ含め総勢25人参加しました
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~プログラム紹介~

★AEDを用いた一次救命処置(BLS=Basic Life Support)講習

森ノ宮医療大学 ライフサポート部の皆さんによる、『AED講習』をしていただきました。AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。心臓の動き(心電図)を自動解析し、電気ショックが必要な場合、電気ショックを流す仕組みになっています。使用方法は音声でガイドしてくれるため、簡単に使用することができます。2004年7月より一般市民でも使用できるようになり、病院や診療所、救急車はもちろん、空港、駅、学校、公共施設、企業等人が多く集まるところを中心に設置されています。もし、心停止の可能性がある人を発見したら、すぐに119番通報を行い、できるだけ早く心臓マッサージ・人工呼吸を含む心肺蘇生を実施し、AEDを用いて電気ショックを行い、できるだけ早く医療機関で処置をすることが大切ということを学びました。

まずは、AEDの使用方法についてのレクチャーを
では、実際にAEDを使ってみましょう!

心臓マッサージ,結構大変でした (ーー゛)
気道確保できる体位を学びました

 AED講習会修了証いただきました
森ノ宮医療大学ライフサポート部の皆さん

★日用品を使ったアイデア利用方法
現在、ボラセンに実習に来ている学生さんが、使えそうな簡単アイデアグッズを調べ、実践していただきました。事前にいろいろ試してくれましたが、難しかったり、逆に簡単すぎてイマイチだったりと、前日まで苦労して準備してくれました。防災時の知恵として、ご家族皆さんで一度は作って試してみるのも楽しいのではないでしょうか。

新聞紙は結構いろいろ使えますよ(^_^.)
履いてみるとスリッパは以外に温かいです。

新聞紙で作ったコップ 2,3分で水漏れ~(+o+)
ズボンと紐で簡易リックに早変わり!
毛布ではなくジャンパーで担架を作りました
毛布担架に比べるとかなり不安定でした




★車いす体験
障がい者の人だけでなく、災害時など、怪我をした人が車いすを使用する場合もあります。誰もが基本的な使用法については学んでおきたいものです。

扱い慣れていないと…(?o?)
段差は力だけでなくコツがいります
★手引き体験
屋内や市街での手引き体験はありますが、こういう自然の多いところでの手引きは、皆さん初めてだったのではないでしょうか!? 屋内での手引きよりも危険や変化が多く、細かく周りの状況を伝え、誘導しなけばなりませんでした。

階段の段差が均一でないので怖かったです!
周りの情報を具体的に伝えることが大切です

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★食事
食事につきましては、主催側では用意せず、自己責任でそれぞれ参加者に持参いただきました。インスタント食品や缶詰、補助食品など、常温で日持ちのする加工食品を持ち寄る人が多かったです。夜になってからはかなり寒かったので、本当に温かい食べ物が食べられるだけで非常にありがたく思いました。避難所などでは、必ずしもお腹一杯、温かい食べ物が食べられる状況ではないので、心身共に、かなりつらい状況に陥るということを、身を持って感じることができました。

食事の際にはお湯のみ提供
自分の食べる分は持参いただきました

かわいい訪問者が…
野良ちゃん!?にしては君 コロコロしてますね (・o・)

★キャンプファイア
当初はキャンドルナイトの予定でしたが、設備があるということでキャンプファイアを行いました。炎を囲んで、この1日の感想を皆さんで語り合いました。
冷えた体を温めてくれる炎に感謝です
 心が洗われる気持ちになりました(ー_ー)!!


★野外での就寝
今回の企画の一番の売り!? ともいうべきでしょうか、野外でのテント就寝を敢行!!11月下旬の夜の寒さの中での就寝を体験しました。私も防寒をして寝袋にもぐりこんだのですが、普段と環境が変わった為か、いやそれ以上に、地面からしんしんと伝わってくる寒さの為、眠りが浅く、ほとんど睡眠が取れた感じがしませんでした。本当の避難生活では、もっと狭く、寒い状況で、長期に渡って過ごさねばならない場合も想定できますので、少しでも快適な睡眠を取るための工夫が必要だと感じました。

昼間全員で準備しました
残念!夜のテント画像がございません m(__)m

~【参加者の感想】~

・有事の際、避難所等では色々な人々と過ごすわけなので、障がいのある人や、子ども達と共に今回のような体験をしてみたい。
・夜は思った以上に寒く、なかなか眠れなかった。簡易型の寝袋では身の危険を感じるほどだった。
・災害時では、誰もが他人を構う余裕が無い中で、自分の事は自分でしなければならないこと。また同時に、こういう状況でも、少しでも他の人を気遣うことの経験が出来たのでは。
・キャンプ場でも環境が整いすぎているのでは。もっと過酷な場所での開催も考えてみるべき。
・食料等の準備物も予め用意せず、家に今あるものだけで準備してきた。一日、二日なら何とかなるが…。日頃からの備えの大切さが実感できた。

市民フォーラムおおさかでは、過去において、何度か宿泊を伴う避難所体験を開催してまいりましたが、今回はメンバーより、『より過酷な条件で1泊体験をしてみよう』、という声があり、今回の災害時1泊体験を企画・開催しました。やはり、今回は『人命救助キャンプ』ということで、プログラム内容に大変苦労しました。ご協力いただきました、森ノ宮医療大学ライフサポート部の皆さま、ボラセン実習生のお2人、そして、ご参加いただきました皆さん、誠に有難うございました。

市民フォーラムおおさかでは、今後も様々なシチュエーションでの災害時避難体験等を企画・実施できればと考えております。
                                                     (荒野)