社会福祉法人大阪市社会福祉協議会・大阪市ボランティア・市民活動センターのスタッフブログです。




2012年10月20日土曜日

化粧品会社の研究員が特別講師として、小学生に理科の魅力を伝授!@港区・市立田中小学校

今年の7月24日、港区で開催した「”異次元”交流ライブ~西エリア編~」に参加してくださったご縁で、8月にはCSRについてのヒアリング取材をさせていただいた、創業127年を誇る化粧品会社「株式会社 桃谷順天館」(本社:大阪市港区)が小学校でCSR活動をされるということで、去る10月5日、その様子を見学させていただきました!


「理科大好き“なにわっ子”育成事業」をご存知でしょうか?

今回の”先生”、桃谷順天館の研究員・亀田さん
これは大阪市教育委員会が主体で実施している取り組みで、企業が独自に製作・実施している出前授業ではなく、企業・団体と小学校が連携し、理科の授業(単元)の中で、子供たちが学んでいる理科学習と、身の回りにある製品や技術などの実社会が密接に関連していることなどを実感する「"生きた"理科実験授業」を担うため、企業の社員やOBを「特別講師」として派遣しているものです。
子どもたちの理科離れを防ぎ、将来のモノづくりを支える人材育成につなげることを目的として、平成19年度から大阪市立の小学校の5・6年生を対象として実施されています。


その、「理科大好き“なにわっ子”育成事業」の一環として、桃谷順天館の研究員・亀田さんが、市立田中小学校の5年生を対象に理科の特別授業を行われました。


テーマは”水溶液の性質(酸とアルカリ)”。
実験の器具など一式
まず、石鹸水・酢水などの身近な水溶液から水酸化ナトリウム水溶液(強アルカリ液)といった少し注意が必要な液体まで、6種類の水溶液を万能試験紙(酸性・アルカリ性の強弱まで知ることができる試験紙)を使って、酸性かアルカリ性かを調べます。その後、異なった性質(酸性・アルカリ性)を混ぜるとどういう変化が起きるのかを実験を通じて学びました。

万能試験紙で性質を調べます
混ぜると…プルプルに~♪
用意されていた水溶液を混ぜると、透明度や質感が変化していき(今回はトロトロの水溶液がプルプルのジェルに変化して、お化粧品の「うるおいジェル」が出来上がる!という趣向でした)、「うわー!」「おもしろい~」など、子どもたちから歓声が湧きおこりました!

最後に、できあがったジェルを万能試験紙で調べてみると、なんと「弱酸性」との結果が。

「酸性」と「アルカリ性」を混ぜると「中性」になると思っていた子どもたちは、その結果にびっくり! 亀田さんから「酸性・アルカリ性・中性というのは、3つの状態が別々にあるのではなく、酸性~中性~アルカリ性とグラデーションのようにつながっています。なので、強い酸性とアルカリ性を混ぜると、中性ではなく、弱酸性になるんですよ」との説明に、子どもたちも納得。「ちなみに、私たちの肌は弱酸性の性質を持っているので、化粧品の”うるおいジェル”も弱酸性の性質になっているんですよ♪」と、日頃使っているお化粧品にも、理科の授業で学ぶ酸・アルカリの性質がうまく使われていて、お仕事につながっていることを亀田さんはしっかりアピールされておられました。


亀田さんからの最後のメッセージは、毎日の身近なものには理科で習うことがあふれていることに触れ、「もっと理科を好きになってね!」という熱い思いで締めくくられました。授業の初めはとても緊張されていた亀田さんが、最後には体全体を使って理科の楽しさを伝えておられる姿を拝見して、”大好きなこと”を伝える人からは知識以外にも本当にいろいろな思いが伝わってくること、”大好きなこと”を”大好きな人”から伝えられることはなんとワクワクする体験なのだろうと、取材の私でさえ体感させていただいた特別授業でした!
企業の中だけにこもりがちな研究員の方が活躍される地域社会貢献活動。
地域にとっても、企業にとっても、子どもたちにとっても、素敵な効果が期待できる、素晴らしい仕組みだと感心しました♪(市居)